緑内障とは
目の中には房水(ぼうすい)と呼ばれる液体が循環しています。絶えず新しい房水が作られ、古い房水は目の外に排出されることにより、目の硬さ(眼圧)は一定に保たれています。緑内障とは、このバランスがくずれて眼圧が高くなり、目の神経が障害されるために、見える範囲(視野)が狭くなったり、視力が低下したりする病気です。
緑内障には専門的な分類方法がありますが、ここでは患者さまにとって分かりやすいように、進行具合や治療の仕方が大きく異なる以下の3つに分けて説明します。
A.気づかないうちに進行する緑内障
専門的には開放隅角緑内障あるいは慢性閉塞隅角緑内障などと言われるタイプの緑内障です。
はじめのうちは症状が軽く、見える範囲がかけていることに自分では気がつかず、健康診断や他の病気で眼科を受診したときに偶然見つかることが多いのが特徴です。
まずは目薬で眼圧を下げる治療を行い、月に1回程度通院して眼圧や、目の神経の障害の程度を調べます。病気の進行度に応じて3ヶ月~6ヶ月に1回程度、見える範囲を調べる検査(視野検査)をおこなって病気の進行具合を確認し、目薬で充分に治療出来ないていない場合にはレーザー治療(SLT)や緑内障手術を行うことがあります。
残念ながら、このタイプの緑内障は治療によって完治することは難しく、早い段階で発見・治療を開始し、継続して治療に取り組んでいただき、病気の進行を防ぐことが大切です。当院ではOCTなどの最新の検査機器を使って患者さまにわかりやすく症状をご説明し、お一人お一人のライフスタイルや年齢、病気の進行具合に合わせて最適な治療方法をご提案します。
B.突然激しい症状で発症する緑内障
専門的には急性閉塞隅角緑内障あるいは緑内障発作と言われるタイプの緑内障です。
目の頭の強い痛み、吐き気、充血、かすみ目などの激しい症状で、ある日突然、発症するのが特徴です。発作を起こしているのは目は反対の目と比べて、瞳孔(黒目の中の茶目の部分)が大きくなっていることが多いので、頭痛や吐き気に加えて眼の充血、視力低下、瞳孔の散大などの症状がある時には、すぐに眼科を受診してください。
また、このタイプの緑内障になりやすい目をしている人は、内科や精神科のお薬で“緑内障禁忌”とされるお薬を飲む際に注意が必要です。
C.その他
上記のA・B以外にも、糖尿病網膜症や、ぶどう膜炎が原因でおこる緑内障、生まれつきの緑内障(先天性緑内障)など、様々な種類の緑内障があります。病気の進行スピードや重症度は原因により様々で、治療は原因となる病気の治療を含めて行う必要があります。
40歳以上の20人に1人が緑内障と言われています。40歳を過ぎたら一度は眼科を受診して、自分の目の状態を正しく理解しておくことが大切です。